ライフサイクルステージ
製品カーボンフットプリント(CFP)において、ライフサイクルステージとは、温室効果ガス(GHG)排出される製品のライフサイクル中の5つの特定フェーズを指します。これらのステージは、製品の生産から廃棄までの全過程を表し、それぞれが製品全体のカーボンフットプリントに寄与します。
システム境界は、CFP算出の中で製品のライフサイクルのどの部分が含まれるかを定義します。主な2つのタイプは次の通りです。
Cradle-to-Gate(原材料から出荷まで): 原材料の調達から製品が生産施設を出るまでの全てを含みます。
Cradle-to-Grave(原材料から廃棄まで): 原材料の調達から製品の廃棄までの全ライフサイクルを含みます。
以下のセクションでは、各ライフサイクルステージについて詳しく説明します。
原材料の生産と輸送
内容:
ここが製品のライフサイクルの始まりです。原材料(例:オート麦や包装材)の生産や、それらを生産現場に輸送する過程で発生する排出量が対象です。
測定方法:
原材料、包装、原産地、製造場所に関するデータが必要です。この情報を直接入手できない場合、TerrascopeはAIを活用した推定方法で算出します。その後、様々なデータベースを使用し、これらの活動で発生する排出量を算出します。
製造
内容:
製品の製造に使用されるエネルギーと製造過程で発生する廃棄物に伴う排出量が対象です。
測定方法:
使用されるエネルギー源(例:電気や燃料)に基づき、地域ごとの排出量を算出します。正確なエネルギーデータがない場合は、標準モデルを使用して推定します。また、この過程で発生する廃棄物の排出量も含まれます。
流通・小売
内容:
完成品を倉庫や店舗に配送、および必要に応じて製品の保管や冷蔵に伴う排出量が対象です。
測定方法:
移動距離と標準的な排出率を用いて輸送排出量を算出します。冷蔵が必要な場合は、冷媒ガスによる排出量も考慮します。保管による排出量は、倉庫からの直接エネルギーデータまたは標準平均値を使用します。
購入・使用
内容:
製品が消費者にどのように使用されるかに伴う排出量が対象です。店舗から消費者までの移動、保管、実際の消費行動(飲むなど)が含まれます。
測定方法:
企業は消費者の使用データを直接取得することが難しいため、研究や推定値を使用します。例えば、消費者が製品を購入するために移動する距離や、それを保管・使用するために必要なエネルギーを推定します。
廃棄・消費
内容:
製品が廃棄またはリサイクルされる際の排出量が対象です。
測定方法:
地域で一般的に行われている食品や包装の処分方法に基づいて計算します。廃棄物処理の標準的な排出率を使用して算出します。